失敗しないオイル塗装のメンテナンス
使い込むほどに色やツヤが深まり、表情が変化していくのは、無垢材の家具の魅力のひとつです。自分だけの家具に育てていくと、一層愛らしい存在になります。
オイル塗装の家具、特にお食事をされるテーブルは、年に数回、ご家庭でお手入れをしてあげてください。木に栄養を補給し割れや反りを防ぐとともに、傷や染みを馴染ませてくれます。
(※突き板の家具は別の手順になります。)
オイル塗装 無垢材のテーブル お手入れ手順
① 前の晩に、固く絞った布巾でしっかりと水拭きしておきます。
② サンドペーパー(当店では、樹種によってかわりますが320番をお勧めしています。)で軽く磨きます。
必ず木目に沿って、全体をなでるように、決して力を入れず軽~く、磨いて下さい。
一部のみ集中して磨くとムラになりますので、「全体をまんべんなく」を心がけてください。
③ 磨いて出た、木の粉を取り除きます。(布で軽く取り除く程度で、粉が少し残っていてOKです。水拭きはしないで下さい。)
④ ウエス(古い肌着でOKです)にオイルを染み込ませ、薄く、テーブルに伸ばしていきます。
くるくる円を書きすり込むように塗って下さい。
⑤ 乾いたウエスで、テーブルのオイルをしっかりと拭き取ります。
⑥ テーブルに塗付したオイルが乾くまで、置いておきます。例えば、朝メンテナンスをしてお出掛けして夜まで乾かす、または、夜メンテナンスして一晩置いておくと、ちょうど良いくらいです。
コツ(大事なこと)
新品同様を目指すのではなく、なんとなーく汚れがぼやけたかな~?ぐらいを目指し、いい感じで使い古そう!と意識すると上手にメンテナンスができます。
汚れがしみやすいな~っと感じたら、できるだけすぐに、こまめなメンテナンスを心がけるのが大切です。
※ご注意
・使用後のウエスは、水に浸けてから捨てて下さい。(布に染み込んだオイルが自然発火する恐れがあるため。)
・オイル塗装の無垢材の部分以外には、上記メンテナンスは行わないで下さい。(例えば、突板部分やウレタン塗装、その他の素材にはNGです。)
ウレタン塗装の家具の場合
オイル塗装でない家具、例えば、ウレタン塗装のテーブルの場合、ご家庭でのメンテナンスは必要ありませんし、できません。基本は乾拭きで、水拭きの場合も出来るだけ固く絞った布巾で拭いてあげて下さい。お食事をこぼしたなど、汚れが気になる場合は、中性洗剤を3%程に薄めた液に布巾を浸し、良く絞って拭き取って下さい。その後、固く絞った布巾で水拭きし、最後に乾拭きをして下さい。
※ 注意 ウレタン塗装の場合、メラミンスポンジは厳禁です。
ウレタン塗装のテーブルは工房で磨き直しが出来ます。
ただし、「ウレタン塗装のテーブルはメンテナンスが出来ない!」というわけではありませんので、ご安心下さい。ウレタン塗装の場合も、例えば20年~30年経って、お子さまの手も離れ、「全体的に綺麗にしたいな。」と思われた場合は、家具工房で天板を磨き直すことが出来ます。(当工房でも、もちろん可能です。)
天板を薄く削って汚れや傷を綺麗にし、天板を磨き、再塗装を行うことで、テーブルを綺麗に直します。
これが出来るのも、無垢材のテーブルだからこそ。本物の木で作られたテーブルは、こうやって手をかけてあげることで、何十年も、何世代も、長く愛用出来るのが素晴らしいですね。
化学的な掃除用品の使用は、お避け下さい。
最後に、オイル塗装、ウレタン塗装、どちらの家具の場合も、天然木の家具は化学的な掃除用品(化学雑巾など)との相性は良くありませんのでご注意下さい。特に、溶剤(エタノール、ベンジン)等のご使用は、変色や傷の原因となるので、お避け下さい。
無垢材の家具は、気軽にどんどん使って、くたくたに使い込んで、それぞれのご家庭の味に育てていくのが醍醐味です。オイル塗装の家具は、年に数回、お手入れして可愛がってあげて、また良い表情にしてやってください。ウレタン塗装の家具も、乾拭きしてあげると良いツヤが出てきます。皆さまの無垢家具ライフが、より一層心地良い時間になりますように。